
小さな会社の売上を安定させる方法とは?新規集客だけに頼らない考え方

「今月はなんとか仕事がある。でも、来月はまだ何も決まっていない」
小さな会社で日々の仕事をされている中で、そんな不安を感じたことはないでしょうか。
新しいお客様との出会いは、会社が成長していくためにとても大切なものです。ホームページを整える、SNSを更新する、リアルの場での営業活動など。
「もっと新規のお客様を増やさなければ」と、集客に力を注いでいる会社も多いのではないでしょうか?
私自身、個人でお仕事を続けてきた中での経験から、もうひとつ大切な視点があると感じるようになりました。
それは「新しいお客様を増やすこと」だけではなく、「一度つながったお客様と長いお付き合いしていくにはどうしたらいいか」を考えることです。
毎月新しいお客様を集めるゼロから売上をつくるのではなく、今あるお仕事やお客様との関係を少しずつ積み重ねていく。小さな会社だからこそ、大切な視点なのではないかと思っています。
今回は、そんな小さな会社の売上を安定させるために、Webをどう活用できるかについてご紹介していきます。
「集客はしているのに、いつも忙しい」のはなぜなのか
たとえば、月200万円の売上を目標にしている会社があるとします。
この200万円をすべて「今月新しく獲得したお客様」からつくろうとすると、毎月同じ流れをゼロから繰り返さなければなりません。
新規のお客様を探す
→ 問い合わせを増やす
→ 商談する
→ 契約する
→ 商品・サービスを提供する
→ 翌月、新規のお客様を探す
→次月1つ目から繰り返し
新規のお客様を獲得することは、もちろん必要です。ただ、これだけに頼っていると、なかなか売上が積み上がっていかないという難しさがあります。
一方で、毎月の継続売り上げや既存のお客様がいらっしゃる場合はどうでしょうか。
例えば、
- 毎月の継続売上 50万円
- 既存のお客様から 100万円
- 新規のお客様から 50万円
というかたちをつくることができれば、200万円のすべてを新規集客でまかなう必要はなくなります。
新しいお客様からの売り上げ目標が200万と50万の場合、売り上げるための労力もコストも全く異なるのではないでしょうか。

大切なのは「来月以降にもつながる売上を持っているか」という視点を持っておくことではないかと思います。
この考え方はマーケティング用語のLTV(顧客生涯価値)という考え方になります。LTVについて詳しく書いている記事は以下になりますので、ご興味のある方はあわせてご覧ください。

私自身も「制作して終わり」から考え方が変わりました
自社事例:WEBサイトを作った後、継続につながるサポート
ここからは私自身の体験をご紹介します。
WEB制作のお仕事をしていると、基本的に「作る、納品する」ということがメインの仕事です。そのため、ホームページを制作して公開する。そこでひとつの区切りがつくことが多いです。
しかしホームページは、公開した瞬間がゴールというわけではありません。ホームページはお問い合わせ数を増やしやり、事業を認知してもらったりすることが最終目的のため、その目的を達成するためにやることもたくさんあります。
例えば、以下のようなものです。
- ブログを更新する
- 最新情報を載せる
- 新しい商品やサービスを追加する
- お問い合わせなどフォームが正常に動いているか定期的に確認する
- アクセスデータを見て、ページを改善する
- 他のデザイン物も作りたい、リニューアルしたい
- Google検索やAI検索にヒットするような対策をする
・・・など。
ホームページは作る以上に、作った後の運用の方がやることが多いと思っています。
そのためその後の運用や改善までサポートすることも大切です。
アクセス状況を見ながら改善したり、サービス内容の変化に合わせて情報を更新したり、ブログやコンテンツを少しずつ積み重ねたり。そうした取り組みを続けることで、ホームページが少しずつ「集客の資産」として育っていきます。
お客様の事業が成長していけば、必要なWeb施策も変わっていきます。だからこそ制作だけで終わらず、その後も継続してサポートできる関係をつくることは、お客様にとっても、私のようなWeb事業者にとってもメリットがあります。
一度きりの新規集客を繰り返すのではなく、既存のお客様との関係や、これまで積み上げてきた資産を大切にする。それが、小さな会社が無理なく売上を安定させていくための一つの方法だと考えています。
継続のカギを考える:今、この会社に本当に必要なものは何か?
例えば、事業を始めたてのクライアント様から100ページを超える大規模なホームページを作りたいと依頼があった場合。現時点では必要ないと感じた場合は、小規模のサイトの制作をご提案します。
もちろん今後の展望や目的に合っていれば、また違った提案になると思います!
現時点ではそこまで必要ないと判断した場合は、まずは必要な情報に絞った小規模なサイトをご提案します。最初から大きなサイトを作るのではなく、事業の成長に合わせて必要なページや機能を追加していく。
その方がお客様にとっても無駄な費用を抑えながら、今必要なところに予算を使うことができます。
Web制作者側からすると、すべて引き受けた方が一時的な売上は大きくなるかもしれません。しかし、目先の売上だけを優先するのではなく、「今この会社に本当に必要なものは何か?」を考えて提案する。
そうすることで、「この人に相談すれば、自社に必要なものを考えてくれる」と信頼していただき、ホームページの改善や新しい施策など、次の相談につながることがあります。
一度の取引で終わらず、事業の成長に合わせて長くお付き合いしていく。これも、LTVを高めるための大切な考え方です。
戸塚ご自身の事業に当てはめてみると、どんなことができそうでしょうか?
一度お取引した会社とは、その後も関係が続いていく
これは、Web制作に限った話ではないと思います。たとえば、法人向けの清掃会社を考えてみます。
オフィスの定期清掃を依頼された会社が、最初の契約だけで関係が終わるとは限りません。定期清掃を続けていく中で、「エアコンの清掃もお願いしたい」「別の事業所もお願いしたい」「床のメンテナンスも相談したい」といった新しいご要望が出てくることがあります。
製造業であれば、一度お取引が始まった会社から別の製品についてご相談をいただいたり、新しい設備や部品についてご依頼をいただいたりすることもあるでしょう。
企業間のお取引では特に、一度信頼関係ができた会社に次のお仕事をお願いするということは、決して珍しいことではありません。
だからこそ、新規のお客様を増やすことだけでなく、「今お取引しているお客様に他に何かできることはないか」を考えること。その結果「この先どんな関係を築いていけるか」を考えておくことが大切なのだと思います。
いい仕事をすることで信頼していただき、その結果、継続的なお付き合いにつながっていくことが理想的な関係だと思っています。
「継続して依頼してもらうために仕事をする」のではなく、まずは目の前のお客様にとって良い仕事をする。その積み重ねの結果として、「またこの人にお願いしたい」と思っていただけることが、長くお付き合いしていくことにつながるのではないでしょうか。



LTVを高めることは、継続してもらうために何かを売り続けることではありません。
仕事で価値を提供し、信頼を積み重ねる。その結果として、次の仕事や長期的なお付き合いにつながっていくものだと考えています。
「もっと買っていただく」ではなく、「次に必要になるもの」を考える
ここで、誤解のないようにお伝えしたいことがあります。それは、「既存のお客様にもっと商品を売りましょう!」という話ではないということです。
必要のないものを無理に提案してしまうと、せっかくできた信頼感がなくなってしまいかえってお客様との関係は続きにくくなります。



信頼関係を築くのは時間がかかりますが、無くなるのは一瞬です・・・!
大切なのは「今ご利用いただいているサービスの次に、お客様が何か困ることはないか」と考えてみることです。
最初からすべてを契約していただく必要はありません。その時々で必要なことをご相談いただける関係ができていれば、「そういえば、これもご相談できましたよね」と、次のお仕事につながっていく可能性があります。
これは単純な「売上アップ」というより、お客様との信頼関係を、少しずつ積み重ねていくことなのだと思っています。



そのためにも「こういうことができる」とお客様が理解しやすいよう明記しておく、お知らせしておくことも大切です!
こうした「一人のお客様が、長くお取引を続けてくださることで生まれる価値」は、マーケティングの世界では「LTV(顧客生涯価値)」と呼ばれています。LTVの考え方を知っておくと、目先の新規集客だけでなく、今のお客様との関係にも目を向けやすくなります。
小さな会社が売上を安定させるために考えたい3つのこと
ここまでLTVや既存のお客様との関係、Webサイトの活用についてお話ししてきました。
では、実際に小さな会社が売上を安定させていくためには、何から考えればよいのでしょうか。難しい施策をいきなり始める必要はありません。
まずは今のお客様との関係や、すでに持っているWebサイトなどの資産を見直すところから始めてみましょう。
1. 新規集客だけに頼らない
売上を増やそうとすると、まず「新しいお客様を増やさなければ」と考える方も多いのではないでしょうか。
もちろん、新規のお客様を増やすことは大切です。
ただ、新規集客だけで売上を作ろうとすると、毎月「新しいお客様を探す」ことから始めなければなりません。
広告を出す、SNSで発信する、SEO対策をする、営業をする……。
新しいお客様を集めるための活動を続けることは必要ですが、それと同時に、
「今までお取引したお客様から、次の仕事につながる可能性はないか?」
という視点も持ってみてください。
たとえば、すでに信頼関係ができているお客様から、別のサービスをご相談いただいたり、別の部署や店舗をご紹介いただいたりすることもあります。
まずは、現在のお客様を一覧にして、
- 今、どんなサービスをご利用いただいているか
- 他にお役に立てそうなことはないか
- 今後、必要になりそうなサービスは何か
- しばらく連絡を取っていないお客様はいないか
などを整理してみるのもおすすめです。
新規集客をやめるのではなく、新規のお客様を増やすことと、今のお客様との関係を育てることを並行して考える。これだけでも、売上の作り方は少しずつ変わってきます。
2. 「次に必要になるもの」を考える
既存のお客様に対して、「もっと商品を買ってもらおう」と考える必要はありません。大切なのは、「今提供しているサービスの先に、お客様はどんなことで困るだろう?」と考えることです。
たとえば、オフィスの定期清掃を依頼していただいている会社なら、しばらくするとエアコン清掃や床のメンテナンスが必要になるかもしれません。
Web制作でも同じです。ホームページを公開した後には、
- 新しいサービスを追加したい
- ブログを更新したい
- 採用ページを作りたい
- 問い合わせが増えてきたので導線を見直したい
- アクセス状況を見ながら改善したい
など、事業の変化に合わせて新しい課題が出てくることがあります。
つまり、今売っている商品やサービスだけを見るのではなく、お客様の事業がこの先どう変化するのか、そのとき何が必要になるのかを考えてみることが大切です。
もちろん、必要のないものまで提案する必要はありません。
「今は必要ないけれど、こういうタイミングになったらご相談ください」と伝えておくだけでも、お客様にとっては「この人に相談すればいいんだ」と分かりやすくなります。
売上を安定させることを考えるときは、目の前の売上だけではなく、その先のお客様の変化まで考える。
この視点を持っておくと、無理な営業をしなくても、自然と次の仕事につながるきっかけを作りやすくなります。
3. Webサイトを「作って終わり」にしない
すでにホームページをお持ちの方で、作った依頼更新していないという方はぜひ更新していくところから始めてみてください。
事業を続けていると、サービスが増えたり、実績が増えたり、ターゲットが変わったりしていませんか?ホームページだけが数年前のままだと、せっかくの情報が今のお客様に届かなくなってしまいます。
だからこそ、Webサイトを「集客のために作るもの」だけではなく、事業と一緒に育てていく資産として考えてみてください。
たとえば、
- 新しいサービスを追加する
- 実績や事例を掲載する
- よくある質問を追加する
- ブログやコラムを更新する
- 問い合わせフォームを見直す
- アクセス状況を確認する
- ページの内容や導線を改善する
など、できることはたくさんあります。
また、Webサイトは新規のお客様だけが見るものではありません。すでに取引のあるお客様が「そういえば、こんなサービスもやっていたんだ」と知るきっかけになることもあります。
だからこそ、Webサイトには「今、自社が何を提供できるのか」を分かりやすく載せておくことが大切です。
新規集客のためにSEOや広告、SNSに力を入れることももちろん大切。その一方で、すでに持っているホームページを整えていくことも、長期的に見ると売上を支える土台になります。
「ホームページを作ったけれど、あまり更新していない」という場合は、まずは現在のサービスや実績がきちんと掲載されているかを確認するところから始めてみてはいかがでしょうか。
まとめ|売上は「毎月ゼロから」ではなく「積み上げる」
小さな会社にとって、新しいお客様との出会いはもちろん大切です。
ただ売上を安定させたいのであれば、新規集客だけに頼るのではなく、すでにお取引のあるお客様との関係にも目を向けてみることが大切です。
今のお客様にとって、次に必要になるものは何か。
今のサービスのほかに、お役に立てることはないか。
それを分かりやすく伝えられているか。
こうしたことを一つずつ考えて実践していくことで、次のご相談や継続的なお取引につながる可能性があります。
新しいお客様を増やすことと、今いるお客様との関係を育てること。どちらか一方ではなく、両方を少しずつ積み重ねていく。
毎月ゼロから新規集客をし続けるのではなく、これまでのお仕事が次のお仕事につながっていく、安定した売上の土台になるのではないでしょうか。
私自身もWeb制作を通して、お客様の事業に必要なことを一緒に考えながら長く伴走できるWebサポートを大切にしていきたいと思っています。
LTVについて、もう少し詳しく知りたい方はこちらの記事もご覧ください。


